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せっかくなので数枚続けてスリー・ブラインド・マイス(Three Blind Mice)の作品を紹介していきたいと思います。2枚目はジャズ・ピアニストの菅野邦彦がピアノ・トリオにコンガを加えた編成で録音した1974年のライブ・アルバムです。
菅野邦彦は前回少し触れた鈴木勲の代表作『BLOW UP』(TBM-15)にも参加していた名ピアニストであり、六本木のクラブ「ミスティ」の初代ハウス・ピアニストとしても知られています。実兄の菅野沖彦氏も著名なオーディオ評論家で、沖彦氏のほうは1970年代にオーディオラボ(Audio Lab)・レーベルを創設してジャズやクラシックのレコード制作も手掛けていたようです。菅野邦彦は沖彦氏のオーディオラボや、メジャー・レーベルではフィリップス(PHILIPS)などから多くのリーダー作をリリースしています。
本作『慕情(ラブ・イズ・ア・メニー・スプレンダード・シング)』は菅野邦彦がスリー・ブラインド・マイスに残した唯一のリーダー作であり、彼のピアノの魅力を存分に堪能できる素晴らしいライブ・アルバムです。
A
1. Love Is A Many Splendored Thing
2. Autumn Leaves
3. Blues For Wynton Kelly
B
1. Pardido
Piano: Kunihiko Sugano
Bass: Yoichi Kobayashi
Drums: Teruhiko Takada
Congas: Yoichi Ogawa
Recorded March 22, 1974
at Toshi Center Hall, Tokyo
メンバーは菅野邦彦(ピアノ)、小林陽一(ベース)、高田光比古(ドラムス)、小川庸一(コンガ)のトリオ+1。サブタイトルで「Live in “5 DAYS IN JAZZ 1974”」と書かれている通り、1974年3月22日~3月26日に東京・赤坂の日本都市センターホールで行われたTBM主催のシリーズ・コンサート(5日間で15のグループと3人の女性歌手が参加)における録音のようです。
オープニングのピアノから完全に惹き込まれるA-1「Love Is A Many Splendored Thing」は美しいフレーズが随所に詰まっている名演で、本作のハイライトといってもいいでしょう。軽やかに、流れるようにスピードアップしていく展開も本当に見事です。お馴染みのA-2「枯葉」もイントロからイマジナティヴな旋律をたっぷりと聴かせてくれます。A-3「Blues For Wynton Kelly」はウィントン・ケリーに捧げられたブルージーなオリジナル・ナンバーです。
18分半にも及ぶ長尺ながら、ミドルテンポで終始リラックスした演奏が繰り広げられるB-1「Pardido」は、ライブ会場にいるような気分でゆったりと楽しめます。六本木ミスティの初代ハウス・ピアニストとして活躍していた菅野邦彦の当時のライブを垣間見ることができるアルバムです。
Theme: 和ジャズ/日本のジャズ・フュージョン « 音楽
Tag: 菅野邦彦小林陽一高田光比古小川庸一ピアノ・トリオライブスリー・ブラインド・マイスTBM
Author:musicomania
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