I AM NOW / Jon Lucien
Mon.23.02.2009 Posted in us / soul, r&b
0 comments 0 trackbacks

先日購入したLP - 2008年


ジャズヴォーカル物が続きましたが、この人は生粋のジャズというより、レアグルーヴ~クラブジャズ界隈から注目されたアーティスト。ジョン・ルシアンはカリブ海のセント・トーマス島出身で、渡米後、ソウル、ジャズ、ブラジリアンなどが絶妙にミックスされたオリジナリティ溢れる作品群を残していきました。とりわけ70年代前半にRCAからリリースした3作品は有名で、『RASHIDA』(1973年)や『MIND'S EYE』(1974年)は本作以上によく知られているところでしょう。
人気コンピのフリーソウルにも、彼の代表曲のいくつかが収録されていたと思います。僕も『FREE SOUL IMPRESSIONS』で、『RASHIDA』の冒頭を飾る名曲A-1「Kuenda」~A-2「Would You Believe in Me」を初めて聴き、すぐに『RASHIDA』や『MIND'S EYE』を買い求めました。今回ご紹介する『I AM NOW』(1970年)は、RCAの3作品の中だと、ほかの2作品にやや隠れがちではありますが、本作もジャズ~ソウル~ブラジリアンな彼の魅力がたっぷり詰まっている味わい深いヴォーカルアルバムです。


アイ・アム・ナウ(紙ジャケット仕様)
I AM NOW / Jon Lucien
-円 (US盤LP/-)

楽曲はミュージカルナンバーやブラジリアンスタンダードが中心。『RASHIDA』や『MIND'S EYE』は全曲がオリジナル曲でしたが、本作はA-4を除いて全てがカヴァーです。そういう意味では、後の作品のベースとなっている彼の音楽的な背景やセンスが垣間見られるアルバムといえるかもしれません。ジャズや映画音楽から、アントニオ・カルロス・ジョビン、スティーヴィー・ワンダーまで、ジョン・ルシアンというアーティストを象徴するかのように意欲的で多彩な選曲になってます。
サウンドはどれも温かくてピースフル。ボサノヴァからはA-1「Dindi」、A-3「The Shadow of Your Smile」、B-1「How Insensitive」という大人しめの3曲がセレクトされています。ジャズスタンダードであるコール・ポーター作のA-5「Love For Sale」はスローテンポの渋いカヴァー。ゆったりとしたスティーヴィー・ワンダー作のA-6「My Cherie Amour」も良いです。
ハイライトはサイドBの後半、B-3からB-5まで、「オリバー!」~「ロミオとジュリエット」~「サウンド・オブ・ミュージック」と続くミュージカルナンバーでしょう。太いベースラインの上でヴォーカルとピアノがクールに踊るB-3「Who Will Buy?」と、ホーンやピアノのドリーミーな音色が心地良いB-5「The Sound of Music」が特に素晴らしいです。収録曲は以下の通り。


A
1. Dindi
2. When I Look in Your Eyes
3. The Shadow of Your Smile
4. Find Yourself a Lover
5. Love for Sale
6. My Cherie Amour

B
1. I Am Now
2. How Insensitive
3. Who Will Buy?
4. A Time for Us
5. The Sound of Music


こちらはUS盤のLPで購入。去年、めでたく紙ジャケ仕様で国内盤CD化もされたようです。『RASHIDA』や『MIND'S EYE』は、以前から再発盤LPや国内盤CDなど、わりと入手しやすい感じでしたが、本作はあまり見かけなかったので、個人的に嬉しいリリースでした。

スポンサーサイト



Theme: JAZZ « 音楽

Tag: ジョン・ルシアンカリブ海セント・トーマス島ソウルジャズブラジリアンフリーソウルミュージカル



topBack to TOP