先日購入したLP - 2008年
1960年代半ば頃になると、多くのブラジル人アーティストたちが国外で活躍し、色々な国でボサノヴァアルバムを残しています。ブラジルを代表するギタリスト/作曲家、バーデン・パウエルもそのうちの一人です。トム・ジョビンやルイス・ボンファ、セルジオ・メンデスらは米国へ向かいましたが、バーデンは、外交官として滞在していた作詞家ヴィニシウス・ヂ・モライスの誘いを受け、フランスへ渡りました。
渡仏後のバーデンは、ヴィニシウスの下で、同国を代表するボサノヴァ愛好家ピエール・バルーらと親交を深めたようです。ピエール・バルーとバーデンは、後に『Un Homme et Une Femme(男と女)』(1966年)で「Samba Saravah」を共作します。本作は、その少し前の1965年に、ピエール・バルーの仲介で出会ったといわれるビリー・ネンシオリとバーデンがコンビを組んで制作したアルバム。
このアルバムではヴォーカリストの役割を担っているビリー・ネンシオリ(orネンシオーリorネンチオリ)ですが、フランス映画『殺したいほど好き!!(Les Lionceaux)』のサントラなども手掛けた多彩な人物のようです。本作でも、全てのナンバーにフランス語歌詞をつけて、独自のテイストに仕上げています。もちろん、作曲のほうは全てバーデン・パウエル。フレンチで+ボッサな+60年代らしいサウンドが詰まった素晴らしいアルバムです。
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曲によってフルートやトランペット、ストリングスなどを織り交ぜてはいますが、いずれも二人の演奏(ギター+ヴォーカル)がメインに据えられています。楽曲は全曲、バーデン・パウエル作曲+ビリー・ネンシオリ作詞。詳細は分かりませんが、聴き慣れない曲が多いので、本作のためにバーデンが書き下ろしたものも少なくない(もしくは全部??)のかもしれません。
A面のオープニングにしてハイライトともいえるA-1は、フルートをフューチャーした軽やかで温かいナンバー。バーデンらしい曲調&ギターに、ネンシオリの和み系ヴォーカルが映える心地良いボサノヴァです。一方、モーダルなトランペットが挿入されるA-2は、雰囲気が一転し、映画のサントラで使われるようなジャズナンバーを思い起こさせます。以降も、ちょっと怪しい旋律が印象的なA-3や、バーデンらしいギターの音色から始まるA-4など、聴く者を飽きさせないバラエティに富んだ内容。
B面の冒頭を飾るB-1は、THE G/9 GROUPら多くのアーティストがカヴァーしている「pra que chorar」のフランス語ヴァージョンです。このアルバムで唯一、ボッサスタンダードといえる曲かもしれません。また唯一、女性コーラスが使われているナンバーでもあります。控えめなストリングをバックに、ネンシオリのヴォーカルとバーデンのギターが美しいハーモニーを奏でる仄々としたボッサB-3など、B面はA面に比べると比較的ゆるやかなナンバーが続いていく構成。
フレンチとボサノヴァがほど良くブレンドされ、随所にジャジーなサウンドやサントラ風の遊び心も加わえられている味わい深いアルバムです。収録曲は以下の通り。
A
1. Si rien ne va
2. Cet hiver a courchevel
3. Quel metier
4. On peut me dire du mal de toi
5. Mais ne rigole pas
6. Pour toi Marie
B
1. Un vieux refrain
2. Jean Marie Juana
3. Tiens bonjour !
4. La derniere fois
5. Souviens toi mon frere
6. Mon ami pierrot
オリジナルは仏BARCLEYです。僕が持っているのはブラジル盤LP。ジャケットはディテールに少し違いがありますが、ほぼ同じ。国内盤でCD化もされていたようです(廃盤だと思います)。中古のCDでもLPでもあまり見かけませんので、見つけた際はぜひ。
Theme: ラテン、ブラジル、ボサノヴァ、フォルクローレetc. « 音楽
Tag: バーデン・パウエル ビリー・ネンシオリ ボサノヴァ